コラム
プロ講師のコラム The Owl at Dawn
コラム一覧
十分でわかる日本古典文学のキモ 連載十五回 『古事記』と『日本書紀』~この国のシステムをつくった「ふたご」の歴史書~
○日本文学史は『記紀』に始まる『古事記』と『日本書紀』は、一括して『記紀』とよばれます。日本文学史をかたるとき、発端におかれるのがこのふたつです。わが国であらわされた書物のうち、完本がのこる最古のもの…続きを読む
十分でわかる日本古典文学のキモ 連載十四回 『平家物語』~「生きのびる知恵」と「鎮魂のおもい」が託された書
今日は、『平家物語』の話をする番だったよね。 はじめてぼくが『平家物語』にふれたのは、こどもむけリライト版を読んだとき。もう四十年以上まえのことだ。『ルパン三世 カリオストロの城』の映画が公開され…続きを読む
存在の抽象化から思考の抽象化へ
以前掲載したコラム「新たな哲学史の必要性」で、旧来とは異なるが、なおマルクス主義に立脚した哲学史理解が必要とされているのではと示唆した。 それは複雑極まりない現代社会が、その根底のところではやはり…続きを読む
十分でわかる日本古典文学のキモ 連載第十三回 枕草子
~清少納言が記した、美しき「失われた時」~ 証言1:紫式部が語る清少納言 「あのかたから学ぶところはありません」 たしかにわたしは、日記であのかたをおとしめました。それを根拠に、わたしがあのかたに嫉…続きを読む
十分でわかる日本古典文学のキモ 第十二回 源氏物語・下
○匂宮と薫が「凡庸設定」されているのはなぜか 「光源氏が亡くなったのち、その後を継げるような方は、多くの御子孫のなかにもいなかった。退位なさった冷泉帝を、ここで引きあいに出すのはおそれ多い。今上帝の三…続きを読む
新たな哲学史の必要性
かつて我が国においてもそれなりに盛んだったが、近年はすっかり衰退してしまった理論活動の一つに「ブルジョア哲学批判」がある。これが盛んだったのは、哲学に対して、それがブルジョア社会たる資本主義を自覚的…続きを読む