十分でわかる日本古典文学のキモ 第十二回 源氏物語・下 助川幸逸郎

○匂宮と薫が「凡庸設定」されているのはなぜか 「光源氏が亡くなったのち、その後を継げるような方は、多くの御子孫のなかにもいなかった。退位なさった冷泉帝を、ここで引きあいに出すのはおそれ多い。今上帝の三宮、この宮とおなじ御 … Continue reading 十分でわかる日本古典文学のキモ 第十二回 源氏物語・下 

十分でわかる日本古典文学のキモ 第十一回 源氏物語・中  助川幸逸郎

〇藤原・・道長の時代に『源氏・・物語』が読まれた理由 『源氏物語』正編の主人公は、いうまでもなく光源氏です。彼は帝の子として誕生、さいごには絶対権力を手にします。  光源氏の生涯にわたるライバルが頭中将。こちらは、藤原摂 … Continue reading 十分でわかる日本古典文学のキモ 第十一回 源氏物語・中  

十分でわかる日本古典文学のキモ 第十回 源氏物語・上  助川幸逸郎

〇道長は森喜朗に似ている?  わたしがいちばんされるのをおそれている質問。それは「先生のご専門はなんですか?」です。いただいたお話は基本的にうけるので、わたしの執筆・講演リストはカオス。アニメやアイドルに、村上春樹やカズ … Continue reading 十分でわかる日本古典文学のキモ 第十回 源氏物語・上  

マルクスの思想的連続性─VerwirklichungとEntwirklichung─田上孝一

 来年の2024年2月に法政大学出版局から刊行予定の共編著(仮題『普遍主義の可能性/不可能性』)に「マルクスにおける普遍と特殊」という章を執筆した。  様々な視点から普遍主義と特殊主義の関係を考察しようとする論集だが、一 … Continue reading マルクスの思想的連続性─VerwirklichungとEntwirklichung─

社会主義入門 第八回 レーニンからスターリンへ田上孝一

 「マルクス主義」という言葉は今日でも使われているが、「マルクス=レーニン主義」という言葉は殆ど聞かなくなった。自らをマルクス主義者だと規定する人々はある程度いるものの、マルクス=レーニン主義者だと自称する人が極端に少な … Continue reading 社会主義入門 第八回 レーニンからスターリンへ

社会主義入門 第七回 マルクスの社会主義思想(その4)田上孝一

 『ゴータ綱領批判』は1875年で、マルクスが亡くなるのが1883年なので、晩年の著作と呼んでいいと思うが、その社会主義というか共産主義論は、1867年の『資本論』第一巻と共通するところもあれば異なるところもある。当然マ … Continue reading 社会主義入門 第七回 マルクスの社会主義思想(その4)

十分でわかる日本古典文学のキモ 第九回 『日本永代蔵』(下) 助川幸逸郎

いっけん「自己啓発本」、実態は「心の闇を暴露する書」 「太平の世」になりつつある同時代の社会になじめない――そんな「はみだし者」の手がけた「成功のハウツー本」。それが『日本永代蔵』です。  そういう作品ですから、語りくち … Continue reading 十分でわかる日本古典文学のキモ 第九回 『日本永代蔵』(下) 

十分でわかる日本古典文学のキモ 第八回 『日本永代蔵』(上) 助川幸逸郎

まだ「江戸時代」になりきらない世の中で育った西鶴  今回の主役・井原西鶴が生まれたのは寛永19年(1642?)です。天下分け目の関ケ原の戦いが慶長5年(1600)、豊臣家が滅びた大坂夏の陣が慶長20年(1615)。西鶴が … Continue reading 十分でわかる日本古典文学のキモ 第八回 『日本永代蔵』(上)